君の才能ごと、独り占め

「う、うん……」

「火傷してない」

「してない、と思う」

「ならいい」

そう言って手を離した彼は、何ごともなかったみたいに席へ向かった。

私は熱くなった頬を隠すように、そっと息をつく。

この人はたぶん、自分がどれだけ人をどきどきさせるかわかっていない。

昼休みが終わるころには、私はすっかり榊くんのことが気になっていた。

気になる、といっても恋愛感情ではない。まだ。

ただ、見た目どおりの冷たい人ではないのだと知ってしまったから。

放課後、帰り支度をしていると、担任の先生に呼び止められた。