君の才能ごと、独り占め

「星音」

「なに」

「明日、たぶん誰より綺麗だよ」

鼓動が一気に速くなる。

「まだ弾いてもないのに」

「弾く前からわかる」

「ずるい」

「うん」

彼は否定せず、そのまま静かに続けた。

「だからたぶん、すごく見せたくない」

その独占欲まじりの本音が、たまらなく甘かった。

「でも、星音が選んだ舞台なら応援する」

胸がいっぱいになる。

才能を持つ私ごと、受け止めてくれる。
それでも独り占めしたいと思ってくれる。

その矛盾したやさしさが、どうしようもなく愛しかった。