君の才能ごと、独り占め

「そんなこと言うなら、本気にする」

「……しても、いいよ」

気づけばそう答えていた。

公園の木々が風に揺れる。
夕暮れの匂いがする。

恒一くんはしばらく私を見つめてから、ゆっくり口を開いた。

「文化祭の日、終わったら一番に俺のところ来て」

「うん」

「もし星音が人前で弾くことになっても、終わったら最初に見るのは俺」

その独占欲に、胸の奥が甘く震えた。

「約束」

そう返した瞬間、恒一くんは満足そうに目を細める。

「よし」

「よし、って」

「予約完了」

思わず笑うと、彼はその笑顔を見て静かに言った。

「やっぱり好き」

まっすぐすぎる言葉だった。
何度聞いても慣れない。慣れたくもない。