君の才能ごと、独り占め

強引じゃない。
でも、逃がす気もない抱き寄せ方。

耳元で彼の鼓動が聞こえて、私の心臓まで速くなる。

「文化祭、たぶんまた星音にいろいろ来る」

「うん」

「見られるのも、声かけられるのも、たぶん増える」

「そうだね」

「でも全部、我慢する」

思わず顔を上げる。

「我慢するの?」

「星音が嫌がることはしたくない」

その言葉に胸がきゅっと痛む。
彼は自分の独占欲を押しつけるのではなく、ちゃんと私を優先してくれる。

だからこそ、余計に好きになる。

「でも」

「でも?」

「少しくらいは、独占してくれていいよ」

言った瞬間、自分で自分に驚いた。

恒一くんも、さすがに少し目を見開く。

「それ、煽ってる?」

「ち、違う」

「違わない」

彼の声が少し低くなる。
つないでいた手に、ほんの少しだけ力がこもった。