君の才能ごと、独り占め

その日の帰り道、私たちは駅とは反対側の小さな公園へ寄った。
夕方のブランコは無人で、風に揺れる木の葉の音だけがする。

ベンチに座ると、恒一くんは何も言わずに私の手を取った。
指を絡める、恋人つなぎ。

人前ではあまりしないから、それだけでどきどきする。

「……今日は大胆だね」

「人いないから」

「そっか」

「それに、足りない」

「何が」

「星音成分」

顔が一気に熱くなる。

「そんな言い方ある?」

「ある」

彼はつないだ手をゆっくり握り直した。

「文化祭準備始まってから、思ったより一緒にいられない」

「それは私も思ってた」

ぽろっと本音が出てしまって、私はあわてて口を押さえる。
でももう遅い。

恒一くんの目が、少しだけやわらいだ。