君の才能ごと、独り占め

「それはそう」

「わ、否定しないんだ」

「しない。でも」

夕暮れの道を歩きながら、彼は前を見たまま続ける。

「断れるようになるまで、俺が横にいる」

胸がじんと熱くなる。

「それって甘やかしすぎじゃない?」

「星音にはそのくらいでいい」

「どうして」

「頑張りすぎるから」

また、見透かされていた。

「……ほんと、恒一くんには敵わない」

「敵う必要ない」

「じゃあどうすればいいの」

「頼って」

即答だった。

私は笑ってしまう。
ずるい。そんなふうに言われたら、もっと好きになってしまう。