君の才能ごと、独り占め

教室へ戻る途中、すれ違う女子たちが小さくざわつくのが聞こえた。

「やっぱりあのふたりって」

「最近いつも一緒だよね」

「え、でも榊くんってそういうの隠しそうじゃない?」

耳に入ってしまった言葉に、私は少しだけ視線を落とす。

付き合っていることを、はっきり公表したわけではない。
でも隠しきれているとも言えなかった。

恒一くんと私の距離は、前より確実に近い。

放課後に一緒に帰ることも増えたし、彼が私を気にかける様子は誰が見てもわかるはずだ。

「気にするな」

低い声が落ちてきて、私は顔を上げた。

「……顔に出てた?」

「少し」

「やっぱり」

「噂されるの嫌?」

質問に見えて、その目は少しだけ強張っていた。

私は首を振る。