君の才能ごと、独り占め

私は少しだけ目を伏せる。

「やっぱり?」

「うん」

「……変?」

そう聞くと、恒一くんはすぐに首を振った。

「全然」

そのあと、ほんの少しだけ間を置いて続ける。

「むしろ、守りたくなる」

胸がきゅっと鳴った。

「それ、今言うのずるい」

「思ったから言った」

真顔なのが余計にだめだった。

私は小さく息をついて、でも少しだけ笑う。

すると恒一くんの表情が、ほんのわずかにやわらぐ。

「笑った」

「だって、恒一くんが変なこと言うから」

「変じゃない」

「自覚ないんだ」

そんなふうに話しているだけで、さっきまで残っていた重たさが少しずつほどけていく。