君の才能ごと、独り占め

「……聞きたいの?」

「うん」

「なんで」

恒一くんは少しだけ目を細める。

「星音がピアノ弾いてるとこ、好きだから」

その答えに、胸がふわっとやわらかくなる。

元天才ピアニストとか、すごいとか、そういう見方じゃない。
ただ私の音を好きだと言ってくれる。

それがたまらなくうれしかった。

「じゃあ、少しだけ」

そう答えると、恒一くんはほんの少しだけうれしそうに笑った。

「約束」

「うん、約束」