君の才能ごと、独り占め

ホームルームが終わって、周りが一気に騒がしくなる。

私はノートをしまいながら、まだ少しだけどきどきしていた。

朝からずっと近い。
近すぎる。

すると恒一くんが小さく言う。

「星音」

「なに」

「放課後、音楽室行く?」

「え」

「ピアノ、少しだけ弾いて」

その言い方は無理に誘う感じじゃなかった。
ただ、私が本当に弾きたいなら聞きたい、みたいなやさしい声。