君の才能ごと、独り占め

すると隣から、低い声が落ちてきた。

「ちゃんと言えた」

その言葉がうれしくて、胸がじんとした。

「……ありがと」

「ん」

「手、握ってくれたから」

恒一くんは一瞬だけ黙る。
それから、少しだけ近づく気配がした。

「離したほうがいい?」

「……離さないで」

言った瞬間、自分で恥ずかしくなる。
でももう遅い。

恒一くんの指先が、さっきよりもしっかり私の手を包む。

「了解」

そのたった一言で、心臓が跳ねた。