君の才能ごと、独り占め

ホームルームが始まって、ようやく周りが静かになる。

先生の話は耳に入っているはずなのに、半分くらいしか頭に残らない。
だって隣が気になりすぎる。

さっきからずっと、机の下の距離が近い。

少し脚が触れそうになるたびに、どきっとする。
そして先生が黒板を向いた一瞬。

恒一くんの指先が、また私の手に触れた。

今度は、そっと握るみたいに。

「……っ」

思わず息をのむと、彼が小さな声で言う。

「静かに」

「そっちが原因でしょ」

私もほとんど息みたいな声で返す。
すると恒一くんは、前を向いたまま少しだけ笑った。