君の才能ごと、独り占め

「でも、さっきまで会ってたのに」

そう返すと、恒一くんは少し間を置いて言った。

『会ってたからだよ』

「え」

『会ったあとのほうが、余計ほしくなる』

その言い方が静かなのに甘すぎて、私は思わずクッションに顔をうずめた。

『星音?』

「……今、顔見られてなくてよかった」

『赤い?』

「たぶん」

『見たい』

即答で、心臓がまた跳ねる。

「無理」

『なんで』

「恥ずかしいから」

『かわいい』

今日だけで何回言うんだろう。
でも電話越しだと、直接言われるより逃げ場がなくて困る。