君の才能ごと、独り占め

『帰れた?』

「うん。今さっき」

『そっか』

短い会話。
なのに、変に緊張する。

私はベッドの端を指先でつまみながら、小さく息をついた。

「恒一くんは?」

『もう帰ってる』

「そっか」

また少し沈黙が落ちる。
気まずいわけじゃない。
ただ、お互いに意識しすぎていて、言葉を選んでしまう感じだった。

すると電話の向こうで、恒一くんが小さく笑った。

『星音』

「なに」

『緊張してる?』

図星すぎて、私は一瞬黙る。

「……してる」