君の才能ごと、独り占め

「……ならよかった」

耳元の声が少しかすれていて、彼もずっと張っていたんだとわかる。

私はそっと彼の背中に手を回した。

「心配してくれてありがとう」

「心配する」

「嫉妬もしてた」

「かなり」

即答に、また少し笑う。

「でも」

恒一くんが私の髪に触れながら言う。

「嫉妬して終わりじゃ嫌だから」

「え」

「ちゃんと、星音に俺のこと思い出してほしい」

その言葉があまりにも恒一くんらしくて、胸が甘くなる。

「思い出すよ」

「ほんとに?」

「うん。今だって、恒一くんのことしか考えられない」

そう言った瞬間、抱きしめる腕がぴたりと止まった。

「……星音」

「なに」

「それ、今日いちばん危ない」

「え」

「またキスしたくなる」