君の才能ごと、独り占め

「笑わないで」

「ごめん」

「今かなり本気」

知ってる。
だから余計にどきどきする。

恒一くんは私の顎にそっと触れて、ゆっくり顔を上げさせた。

「していい?」

ちゃんと聞いてくれる。
その時点で、もう胸がいっぱいになる。

私は小さく頷いた。

次の瞬間、唇が重なる。

やさしい。
でも、すぐにそのやさしさの奥に熱が混ざる。

さっき学校でされたキスより、もっと深くて、もっと切実だった。
短く離れても、またすぐ触れてくる。

「恒一くん……」

名前を呼ぶと、その声まで飲みこまれそうになる。

「好き」

唇が触れたあとに落ちる声が近すぎて、息がうまくできない。

「俺のほう見て」

またキス。

「俺だけ気にして」

もう一度。

「他のやつのこと、考えられないくらい」

その言葉に、胸がぎゅっと締めつけられる。

私は思わず、彼のシャツをつかんだ。

すると恒一くんの呼吸がわずかに乱れる。

「……それ、だめ」

「なにが」

「かわいすぎる」

そんなことを言われても、こっちだって余裕なんてない。

「恒一くんのせいだよ」