君の才能ごと、独り占め

「またすぐ会えるよ」

「明日も会いたい」

「学校休みだよ」

「知ってる」

そんなふうに言いながら、彼は少しだけ近づく。

「最後、もう一回」

小さな声。
でも意味はすぐわかる。

私は周りを少しだけ見て、それから頷いた。

人目につきにくい柱の影で、最後のキス。
今日いちばん短いのに、いちばん名残惜しい。

離れたあと、恒一くんが私の手をそっと握る。

「次はもっとちゃんと計画立てる」

「今日でも十分ちゃんとしてたよ」

「でもまだ足りない」

その言い方に、私はくすっと笑う。

「じゃあ次も楽しみにしてる」

「約束」

「うん、約束」