君の才能ごと、独り占め

「もう断ったよ」

「うん、知ってる」

「じゃあ大丈夫じゃないの?」

そう聞くと、恒一くんは視線を前に向けたまま言う。

「理屈では大丈夫。でも、感情が追いつかない」

その正直さに、胸がきゅっとなる。

「星音が誰かに見つかるたび、ほんとは全部連れて帰りたい」

あまりにもまっすぐで、甘くて、困る。

「そんなの無理だよ」

「知ってる」

「でも」

私は少し勇気を出して、彼の袖をつまんだ。

「今日、私ここにいるよ」

恒一くんがゆっくりこっちを見る。

「ちゃんと恒一くんの隣」

その言葉に、彼の目が少し揺れた。

「……それ、だめ」

「え」

「好きすぎて無理」

言い終わる前に、そっと手を取られる。
指先が絡んで、恋人つなぎになる。