君の才能ごと、独り占め

お昼のあと、私たちは少し大きめの公園へ向かった。
ベンチのある木陰は人も少なくて、風がやさしい。

「ここ、落ち着く」

私が言うと、恒一くんも隣で頷く。

「静かでいい」

少しの沈黙。
でも気まずくはなかった。

鳥の声と、遠くの子どもの笑い声。
その中で、恒一くんがふいに口を開く。

「先輩のこと、まだ少し気にしてる」

ライバルの先輩のことだとすぐわかった。