君の才能ごと、独り占め

待ち合わせは駅前の時計台。
十分前に着いたのに、そこにはもう恒一くんがいた。

黒のシャツに薄い色の羽織り。
制服姿しか見慣れていなかったせいで、一瞬ほんとうに言葉を失う。

かっこいい。

その一言が頭いっぱいに広がる。

私に気づいた恒一くんが顔を上げた。
そして、珍しくその場で固まる。

「……恒一くん?」

呼ぶと、彼は少し遅れてこっちに来た。

「おはよう」

「おはよう」

返事は短いのに、目がぜんぜん落ち着いていない。

「どうしたの?」

そう聞くと、恒一くんは少しだけ眉を寄せた。