君の才能ごと、独り占め

土曜日の朝、私は鏡の前で三回目のため息をついた。

落ち着かない。
とにかく落ち着かない。

休みの日に、恒一くんとふたり。
ちゃんとした初デート。
それだけでも十分どきどきするのに、昨日の夜からずっとそのことばかり考えてしまっていた。

制服じゃない。
学校でもない。
放課後の寄り道でもない。

好きな人と、約束して会う一日。

それがこんなに特別だなんて、まだ少し信じられなかった。