君の才能ごと、独り占め

「デートしたい」

まっすぐな一言だった。

私は一瞬、息を止める。

「……初デート?」

「たぶん、ちゃんとしたのは」

たぶんじゃない。
絶対そうだ。

学校帰りに寄り道したことはあっても、休みの日にふたりで会うのは初めてだった。

「行きたい」

即答すると、恒一くんの表情がやわらぐ。

「よかった」

「どこ行くの?」

「まだ決めてない」

「珍しいね」

「星音の行きたいとこ優先したい」

その言葉がうれしくて、思わず笑ってしまう。