君の才能ごと、独り占め

その日の放課後。
私は文化祭の片づけで使った備品の返却を終えて、昇降口へ向かっていた。

すると、下駄箱の近くで恒一くんが待っていた。

「帰る?」

「うん」

「その前に」

彼は少しだけ言いよどむ。
珍しい。

「どうしたの?」

「今度の土曜、空いてる?」

その聞き方だけで、胸が高鳴る。
わかってしまったから。

「空いてる、けど」

「じゃあ」

ほんの少しだけ目をそらして、でもすぐに戻して。