怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

『よかった』 「何が?」 『俺だけじゃなかった』

そのひと言が妙にうれしくて、胸がやわらかくなる。

窓の外では、夜の気配が静かに広がっている。 部屋の明かりも、時計の音も、全部がやけに小さく感じた。

耳元の声だけが、はっきり近い。

『今日は帰したくなかった』 神崎くんが低く言う。

「……うん」 『でもあれ以上いたら、たぶん我慢できなかった』 あまりにも正直な声に、息が止まりそうになる。

「神崎くん」 『何』 「それ、電話で言うの反則」 『顔見えないから言える』 「ずるい」 『今さら』

少しだけ笑った声。 そのやわらかさに、胸がくすぐったくなる。

『おまえは』 「え?」 『嫌じゃなかった?』 声のトーンが少しだけ真面目になる。