怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

短く答えてから、神崎くんはわたしのほうへ歩いてくる。

一歩ずつ距離が縮まるたびに、胸がうるさくなる。

わたしの机の前で止まると、神崎くんは少しかがんだ。 目線が近くなる。

「昨日のこと、覚えてる?」 低い声。

「……覚えてる」 消えそうなくらい小さな声で答えると、神崎くんの目が少しだけ細くなった。

「どこまで」 「どこまでって……」 「全部か」 「……たぶん」 「たぶんじゃ困る」 「困るの?」 「俺だけ覚えてて、おまえ忘れてたら立ち直れねぇ」

その言い方が少しだけ本気っぽくて、胸がきゅっとなる。