怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

「それ、うまそう」 「卵焼き?」 「それも」 「じゃ、じゃあ食べる?」 「いいのかよ」 「うん」

差し出すと、神崎くんは少しだけ意外そうな顔をしたあと、私の箸ではなく自分の指で卵焼きをつまんだ。

ぱくっと食べて、短く「うまい」と言う。

たったそれだけなのに、顔が熱くなる。

「……よかった」 「おまえ、料理できんの」 「簡単なのだけだよ。今日は自分で作ったから」 「へえ」

神崎くんは私を見た。 その目が、やたらとやわらかい。

「いい嫁さんになりそう」 「っ……!」

思考が止まる。

私はぶわっと顔を赤くして、慌ててお弁当箱に目を落とした。