怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

「……え」 自分でもびっくりして、目を丸くする。

神崎くんも少しだけ驚いた顔をした。

「どうした」 低くやさしい声。

熱のせいだ。 たぶんそう。

いつもより弱気になってしまって、離れるのが急に寂しくなった。

「もう少しだけ……いてほしい」 言った瞬間、顔が熱くなる。 熱のせいだけじゃない。

神崎くんは数秒、黙ったままわたしを見た。

それから、深く息を吐く。

「……それ、反則」 「ごめん」 「謝んな」 「でも迷惑かも」 「迷惑なわけねぇだろ」

その声があまりにも優しくて、胸がきゅっとする。

結局、神崎くんは家の中まで入って、リビングで薬と水を探してくれた。 わたしはソファに座ったまま、その背中をぼんやり見つめる。