帰り道、神崎くんはいつもよりゆっくり歩いてくれた。
わたしが少しでもふらつくと、すぐに腕を支えてくれる。 人通りの少ない道では、手をつなぐというより、逃がさないみたいにしっかり握ってくれた。
「ごめんね」 小さく言うと、神崎くんがすぐにこっちを見る。
「何が」 「授業抜けさせちゃった」 「勝手に抜けた」 「でも」 「それより自分の心配しろ」 「……うん」
その言い方がやさしいのに少しだけ怒っていて、胸があたたかくなる。
家の前に着くと、鍵を開ける手が少しだけ震えた。 神崎くんはすぐ隣で待っていてくれる。
「入ったらちゃんと寝ろ」 「うん」 「薬あるか」 「たぶん」 「たぶんじゃ困る」 「探す……」 「後で連絡しろ」
そう言って帰ろうとした神崎くんの袖を、わたしは無意識につかんでいた。
わたしが少しでもふらつくと、すぐに腕を支えてくれる。 人通りの少ない道では、手をつなぐというより、逃がさないみたいにしっかり握ってくれた。
「ごめんね」 小さく言うと、神崎くんがすぐにこっちを見る。
「何が」 「授業抜けさせちゃった」 「勝手に抜けた」 「でも」 「それより自分の心配しろ」 「……うん」
その言い方がやさしいのに少しだけ怒っていて、胸があたたかくなる。
家の前に着くと、鍵を開ける手が少しだけ震えた。 神崎くんはすぐ隣で待っていてくれる。
「入ったらちゃんと寝ろ」 「うん」 「薬あるか」 「たぶん」 「たぶんじゃ困る」 「探す……」 「後で連絡しろ」
そう言って帰ろうとした神崎くんの袖を、わたしは無意識につかんでいた。



