怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

神崎くんはそう言って、少しだけ体を寄せた。 肩が軽く触れる。 それだけなのに、心臓が跳ねる。

「これくらいならいい?」 低い声で聞かれて、わたしはこくんとうなずいた。

「うん」 「無理なら言え」 「無理じゃない」 「ほんと」 「うれしいほう」 答えたら、神崎くんが少しだけ笑った。

「よかった」 その笑い方がやさしくて、胸の奥がやわらかくなる。

「神崎くん」 「ん」 「今日ね」 「うん」 「会ったときからずっと思ってたけど」 「何」 「私服、すごくかっこいい」 言い切った瞬間、自分で恥ずかしくなって目をそらす。

でも、神崎くんはしばらく何も言わなかった。

「あれ」 そっと顔を上げると、神崎くんが片手で口元を押さえていた。

「え、どうしたの」 「……いや」 「え?」 「それ、だいぶ効いた」 「ほんとに?」 「おまえ、たまに爆弾落とす」 「そんなつもりじゃ」 「余計だめ」