ひとくち食べると、思わず頬がゆるむ。 その様子を、神崎くんがじっと見ていた。
「……なに?」 「いや」 「絶対なんかある」 「幸せそう」 「え」 「そういう顔、俺の前でしかしないでほしい」
その言い方に、スプーンを持つ手が止まる。
「神崎くん、それ外で言うの反則」 「思ったから言った」 「急すぎるよ」 「おまえが無防備なんだろ」 「食べてただけだよ」 「それがだめ」
少し拗ねたみたいに言う顔が珍しくて、わたしは小さく笑った。
「じゃあ神崎くんも」 「何」 「わたしの前でしか見せない顔、あるよ」 神崎くんがぴたりと止まる。
「今みたいな顔」 「……どんな」 「ちょっと甘えたみたいな顔」 「してねぇ」 「してた」 「してない」 「してたよ」
言い合いみたいになって、ふたりで少しだけ笑う。
こんなふうに言い返せるくらい、前より自然に話せるようになってきたことがうれしかった。
「……なに?」 「いや」 「絶対なんかある」 「幸せそう」 「え」 「そういう顔、俺の前でしかしないでほしい」
その言い方に、スプーンを持つ手が止まる。
「神崎くん、それ外で言うの反則」 「思ったから言った」 「急すぎるよ」 「おまえが無防備なんだろ」 「食べてただけだよ」 「それがだめ」
少し拗ねたみたいに言う顔が珍しくて、わたしは小さく笑った。
「じゃあ神崎くんも」 「何」 「わたしの前でしか見せない顔、あるよ」 神崎くんがぴたりと止まる。
「今みたいな顔」 「……どんな」 「ちょっと甘えたみたいな顔」 「してねぇ」 「してた」 「してない」 「してたよ」
言い合いみたいになって、ふたりで少しだけ笑う。
こんなふうに言い返せるくらい、前より自然に話せるようになってきたことがうれしかった。



