怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

「初デートだし」 「……うれしい」 「ならよかった」

その何気ないやり取りだけで、幸せだと思ってしまう。

改札横の人通りが多い場所に差しかかったとき、神崎くんが少しだけ歩幅をゆるめた。

そして次の瞬間、わたしの手にそっと触れる。

「……つなぐ」 確認みたいな低い声。

「うん」 答えたら、すぐに大きな手が指先を包んだ。

恋人つなぎではない、ふつうのつなぎ方。 でも、その自然さが余計にどきどきする。

「緊張してる」 神崎くんが言う。

「してるよ」 「手、冷たい」 「待ってるあいだずっとどきどきしてたから」 「……かわいい」 「またそれ」 「事実」 「神崎くん、ほんとそればっかり」 「好きなもんは仕方ねぇだろ」