怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

「まあそれなり」 「ずっと動いてたもんね」 「おまえもだろ」 「わたしは接客が多かったから」 「それがいちばんしんどい」 「神崎くん的に?」 「かなり」

真顔で返されて、思わず笑ってしまう。

「まだ言うんだ」 「今日何回でも言う」 「もう終わったよ」 「終わったから言える」 「どういう理屈?」 「さっきまで我慢してた分」

さらっと言われて、また心臓が忙しくなる。

少し歩いたところで、神崎くんが急に足を止めた。

「ん」 そう言って差し出してきたのは、缶のミルクティーだった。

「自販機、いつの間に」 「さっき買った」 「わたしに?」 「ほかに誰がいる」

受け取ると、まだ少しだけ冷たい。 でも、その気持ちがうれしくて、胸がやわらかくなる。