文化祭の最中だというのに、そのあとしばらく、わたしはまともに顔を上げられなかった。
午後になって、さらに来客が増える。
接客係は交代で休憩を取ることになっていて、わたしは少し遅めの時間に廊下へ出た。
人の熱気で少し火照った頬に、廊下の空気が気持ちいい。
自販機で飲み物を買おうとしたとき、後ろから声をかけられた。
「さっきの子だよね」 振り向くと、午前中に来た他校の男子がひとりで立っていた。
「文化祭終わったあと、時間ある?」 軽い調子。 断ればいいだけ。 わかっているのに、ふたりきりの廊下に少しだけ緊張する。
「ごめんなさい」 すぐ答えると、相手は引かずに笑った。
「彼氏いる?」 その質問に、少しだけ言葉が詰まる。
でも次の瞬間、もっと低い声が割って入った。
「いるけど」
振り向くと、神崎くんがいた。
さっきまで厨房にいたはずなのに、いつの間に来たのかわからない。 でも、その目を見た瞬間、空気がひやりとした。
「しかも、おまえには関係ない」 静かな声なのに、ものすごく迫力がある。
午後になって、さらに来客が増える。
接客係は交代で休憩を取ることになっていて、わたしは少し遅めの時間に廊下へ出た。
人の熱気で少し火照った頬に、廊下の空気が気持ちいい。
自販機で飲み物を買おうとしたとき、後ろから声をかけられた。
「さっきの子だよね」 振り向くと、午前中に来た他校の男子がひとりで立っていた。
「文化祭終わったあと、時間ある?」 軽い調子。 断ればいいだけ。 わかっているのに、ふたりきりの廊下に少しだけ緊張する。
「ごめんなさい」 すぐ答えると、相手は引かずに笑った。
「彼氏いる?」 その質問に、少しだけ言葉が詰まる。
でも次の瞬間、もっと低い声が割って入った。
「いるけど」
振り向くと、神崎くんがいた。
さっきまで厨房にいたはずなのに、いつの間に来たのかわからない。 でも、その目を見た瞬間、空気がひやりとした。
「しかも、おまえには関係ない」 静かな声なのに、ものすごく迫力がある。



