怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

文化祭当日

教室は朝からばたばたしていた。

女子は髪型を整えたり、エプロンをつけたり、最後の確認をしたりで大忙し。 男子も机を並べ直したり、厨房役の準備をしたりで落ち着かない。

鏡代わりにスマホの画面を見ながら、わたしはそっと前髪を整えた。

白いシャツに黒いスカート。 その上に淡い色のエプロン。 胸元には小さなリボン。

文化祭仕様の少しだけ特別な格好に、自分でも落ち着かない。

「かわいいじゃん」 美優がにやにやしながら言った。

「そうかな」 「神崎くん絶対やばいよ」 「やばいって何が……」 「顔」

そう言われた瞬間、教室の入口がざわついた。

振り向くと、神崎くんが立っていた。

いつもの制服姿。 でも今日は腕まくりをしていて、準備のせいか少しだけ髪が乱れている。 それだけなのに、目立つ。 まわりの女子がひそひそするのもわかる。

神崎くんは教室に入ってくるなり、まっすぐわたしの前で止まった。