「……それ着んの?」 「え、うん。接客係だから」 「そう」 「変かな?」 「変じゃねぇ」
即答だった。 でも表情が少しだけ険しい。
「似合う」 低く言われて、胸が跳ねる。
「ありがとう……」 「けど」 「けど?」 「男、来るだろ」
その一言で、神崎くんが何を気にしているのかわかってしまって、わたしは目を瞬いた。
「喫茶店だもんね」 「……はあ」 「もしかして、やきもち?」 思い切って聞くと、神崎くんは眉を寄せた。
「悪いかよ」 まさかの肯定に、わたしの顔が一気に熱くなる。
「わ、悪くないけど……」 「むしろ当然だろ」 「そんな堂々と言うの?」 「おまえ相手には隠す気ねぇし」
ずるい。 ほんとうにずるい。
準備中の教室でそんなことを言われたら、平然としていられるわけがない。



