怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

「大丈夫?」 隣で声をかけてくれたのは美優だ。

「うん、なんとか……」 「顔ひきつってるけど」 「やっぱり?」 「してる」

美優がくすっと笑う。

そのとき、教室の前のほうから男子の声が聞こえた。

「神崎、おまえ手伝えって」 「なんで俺が」 「背高いし力あるし、装飾向いてんじゃん」 「向いてねぇよ」 「はいはい、いいから脚立持って」

ぶっきらぼうに返しながらも、結局ちゃんと手伝っているあたりが神崎くんらしい。

わたしがそっとそちらを見ると、神崎くんもこっちを見た。

目が合った瞬間、彼の視線がわたしの手元に落ちる。 接客係用の白いエプロン。 それから胸元につけるリボン。

数秒の沈黙のあと、神崎くんが近づいてきた。