怖いはずの彼は、今日も私にだけ甘い♡

たぶん、教室だ。 そう思って、私は急いで校舎へ引き返した。

夕方の校舎は静かで、昼間よりずっと広く感じる。 自分の足音だけが響いて、ちょっとだけ心細い。

教室の扉を開けると、ほっと息が漏れた。

机の横に、見慣れた小さな財布が落ちている。

「よかった……!」

駆け寄って拾い上げた、その瞬間。

背後でガラッと大きな音がした。

びくっとして振り向くと、数人の男子が教室の入り口に立っていた。 制服は着崩していて、笑い方がなんだか嫌な感じだ。

「あれ、まだいたんだ」 「ひとり?」 「ねえ、ちょっと話そうよ」

ぞわっと背筋が冷える。