「……好き」 小さく言うと、神崎くんがこっちを見る。
「一回目」 「数えてるの?」 「当然」 「えぇ……」 「ちゃんと十回」 「恥ずかしいよ」 「俺はもっと言えるけど」 「神崎くんは平気すぎるの」 「好きなもんは好きだからな」
さらっと返されて、また顔が熱くなる。
でも今日は、逃げたくなかった。
「……好き」 「二回目」 「好き」 「三回目」 「もうっ、いちいち言わないで」 「言う。かわいいから」 「ずるい……」 「知ってる」
夕焼けの道を並んで歩く。
不安で苦しかったはずなのに、今は胸の奥があたたかい。
わたしはきっとまた悩む。 また自信をなくす日もある。 でもそのたびに、ちゃんと伝えようと思う。
好きだからこそ、逃げない。 この恋を大事にしたいから。
「……好き」 「四回目」 「神崎くん」 「ん?」 「わたし、ちゃんと信じるね」 神崎くんは少しだけ目を見開いたあと、ふっと笑った。
「信じろ」 そう言って、つないだ手をぎゅっと握る。
「その代わり、俺ももっと言う」 「え?」 「おまえが不安になる隙ないくらい」 「それ、絶対どきどきしすぎるよ」 「慣れろ」 「無理かも」 「じゃあ一生どきどきしてろ」
あまりにも神崎くんらしい言い方で、わたしはまた笑った。
こわいはずの彼は、やっぱり今日もわたしにだけ甘すぎる。 そしてその甘さは、すれ違ったあとほど、もっと深く胸にしみるのだった。
「一回目」 「数えてるの?」 「当然」 「えぇ……」 「ちゃんと十回」 「恥ずかしいよ」 「俺はもっと言えるけど」 「神崎くんは平気すぎるの」 「好きなもんは好きだからな」
さらっと返されて、また顔が熱くなる。
でも今日は、逃げたくなかった。
「……好き」 「二回目」 「好き」 「三回目」 「もうっ、いちいち言わないで」 「言う。かわいいから」 「ずるい……」 「知ってる」
夕焼けの道を並んで歩く。
不安で苦しかったはずなのに、今は胸の奥があたたかい。
わたしはきっとまた悩む。 また自信をなくす日もある。 でもそのたびに、ちゃんと伝えようと思う。
好きだからこそ、逃げない。 この恋を大事にしたいから。
「……好き」 「四回目」 「神崎くん」 「ん?」 「わたし、ちゃんと信じるね」 神崎くんは少しだけ目を見開いたあと、ふっと笑った。
「信じろ」 そう言って、つないだ手をぎゅっと握る。
「その代わり、俺ももっと言う」 「え?」 「おまえが不安になる隙ないくらい」 「それ、絶対どきどきしすぎるよ」 「慣れろ」 「無理かも」 「じゃあ一生どきどきしてろ」
あまりにも神崎くんらしい言い方で、わたしはまた笑った。
こわいはずの彼は、やっぱり今日もわたしにだけ甘すぎる。 そしてその甘さは、すれ違ったあとほど、もっと深く胸にしみるのだった。



