近くで見ると、やっぱりこわい。 というより、迫力がすごい。 目つきが鋭くて、表情もほとんど動かない。
私はあわてて席を引いた。
「ご、ごめんなさい……!」
神崎くんは何も言わず、私の隣に座った。 机に片腕を乗せて、外を見る横顔は、話しかけるなと言っているみたいだった。
……終わった。 私の高校生活、静かに終わった気がする。
そんな最悪な始まりだった。
だけど、その日の放課後。 私は、誰にも言えない失敗をした。
帰り道、校門を出てすぐの坂道で、私は足を止めた。
鞄の中に入れていたはずの財布がない。
青ざめながら中身をひっくり返しても、ノートも筆箱も入っているのに、財布だけが見当たらない。
「どうしよう……」
今日に限って、家の鍵まで財布に入れていた。 両親は仕事で帰りが遅い。 連絡しようにもスマホの充電は切れかけで、残り一パーセント。
私はあわてて席を引いた。
「ご、ごめんなさい……!」
神崎くんは何も言わず、私の隣に座った。 机に片腕を乗せて、外を見る横顔は、話しかけるなと言っているみたいだった。
……終わった。 私の高校生活、静かに終わった気がする。
そんな最悪な始まりだった。
だけど、その日の放課後。 私は、誰にも言えない失敗をした。
帰り道、校門を出てすぐの坂道で、私は足を止めた。
鞄の中に入れていたはずの財布がない。
青ざめながら中身をひっくり返しても、ノートも筆箱も入っているのに、財布だけが見当たらない。
「どうしよう……」
今日に限って、家の鍵まで財布に入れていた。 両親は仕事で帰りが遅い。 連絡しようにもスマホの充電は切れかけで、残り一パーセント。



