転生悪役令嬢が名探偵ですわ!?

 事件が解決した翌朝。

 学園には、ようやく平穏が戻り始めていた。

 皇太子エドワードは、リリアの死を悼みながらも、事件の真相が明らかになったことに安堵していた。

 転生して。

 たった数日。

 ゲームの世界だと気づいた直後に殺人事件。

 しかも。

 自分は悪役令嬢。

「…………」

 アリアはため息をついた。

「普通、転生初日ってもっとこう……」

 キラキラした恋愛イベントとか。

 イケメンとの運命的な出会いとか。

「殺人事件じゃありませんわよね!?」

 アリアは腕を組む。

 そして。

 ふっと笑った。

「まあ」

 悪役令嬢だろうが。

 転生者だろうが。

 ゲームの世界だろうが。

 殺人事件が起きるなら。

「――この私が、全部解決して差し上げますわ!」


転生初日に始まった密室殺人事件は、幕を閉じた。

 ――ただ。

 この時のアリアは知らなかった。

 思い出せなかった「死」の記憶が。

事件当初、扉の前にいた謎の男も。

それが。

 この世界でこれから起こる事件と、深く繋がっていることを。

 彼女の知っている「ゲームの物語」から大きく外れ始めていた。