魔法学園。
アリアは教室へ向かう廊下を歩いていた。
周囲の生徒たちは、アリアを見ると小声で何かを話している。
「……あれがアリア様」
「相変わらず怖いわね」
「リリアさんにまた何かするんじゃない?」
「最悪……」
「…………」
聞こえている。
全部聞こえている。
「性格悪い設定、ちゃんと引き継いでますわね……」
前世の私は、人から「怖い」と言われることはあっても、ここまで露骨に嫌われたことはない。
だが、今の自分は悪役令嬢。
仕方ない。
むしろ好都合だ。
誰とも関わらなければいい。
そう思っていた。
その時。
「あの!」
明るい声がした。
振り返る。
そこにいたのは――。
桃色の髪。
大きな瞳。
天使のような笑顔。
「リリア……」
名前が自然に出てきた。
ゲームのヒロイン。
リリア・フローレンス。
「おはようございます、アリア様!」
「…………」
なんて眩しい。
目が痛い。
「お、おはようございますわ」
「今日はいい天気ですね!」
「そうですわね」
「昨日の授業、難しかったですよね!」
「そうですわね」
「アリア様は――」
「そうですわね」
「まだ何も言ってませんよ!?」
「あら」
しまった。
適当に返事してしまった。
リリアがくすくす笑う。
「アリア様って、思ってたより面白い方なんですね」
「……え?」
「なんでもありません!」
そう言って彼女は走っていった。
アリアはその背中を見送る。
「……いい子ですわね」
ゲームのヒロインというだけあって、本当に嫌味がない。
これを虐めろと言われても無理だ。
「私は絶対に関わらないようにしましょう」
そう呟いた。
――数時間後。
その決意は跡形もなく崩れ去ることになる。
アリアは教室へ向かう廊下を歩いていた。
周囲の生徒たちは、アリアを見ると小声で何かを話している。
「……あれがアリア様」
「相変わらず怖いわね」
「リリアさんにまた何かするんじゃない?」
「最悪……」
「…………」
聞こえている。
全部聞こえている。
「性格悪い設定、ちゃんと引き継いでますわね……」
前世の私は、人から「怖い」と言われることはあっても、ここまで露骨に嫌われたことはない。
だが、今の自分は悪役令嬢。
仕方ない。
むしろ好都合だ。
誰とも関わらなければいい。
そう思っていた。
その時。
「あの!」
明るい声がした。
振り返る。
そこにいたのは――。
桃色の髪。
大きな瞳。
天使のような笑顔。
「リリア……」
名前が自然に出てきた。
ゲームのヒロイン。
リリア・フローレンス。
「おはようございます、アリア様!」
「…………」
なんて眩しい。
目が痛い。
「お、おはようございますわ」
「今日はいい天気ですね!」
「そうですわね」
「昨日の授業、難しかったですよね!」
「そうですわね」
「アリア様は――」
「そうですわね」
「まだ何も言ってませんよ!?」
「あら」
しまった。
適当に返事してしまった。
リリアがくすくす笑う。
「アリア様って、思ってたより面白い方なんですね」
「……え?」
「なんでもありません!」
そう言って彼女は走っていった。
アリアはその背中を見送る。
「……いい子ですわね」
ゲームのヒロインというだけあって、本当に嫌味がない。
これを虐めろと言われても無理だ。
「私は絶対に関わらないようにしましょう」
そう呟いた。
――数時間後。
その決意は跡形もなく崩れ去ることになる。

