転生悪役令嬢が名探偵ですわ!?

 翌朝。

 アリアは騎士団に呼び出されていた。

「殿下のアリバイが確認されました」

 騎士団員は一枚の書類を差し出した。

「……本当に?」

「はい」

 事件当日。

 皇太子エドワードは

八時頃には王宮へ戻っている。

 それは、執務官や侍従たちが一緒にいた。

その後の皇太子の行動も細かく記されている。

「死亡推定時刻は十時前後ですから……」

「殿下がリリアさんを殺すことは不可能、ということですわね」

「その通りです」

「では、殿下は完全に容疑から外れる?」

「はい、さらに、

被害者の部屋にあった紙は、殿下とは筆跡が違いました」

殿下の筆跡ではない?

「では、誰が?」

「それが分からないのです」

 皇太子は犯人ではない。

 ならば、皇太子のインクを使った人物が別にいる。

 そしてその人物は。

 皇太子の部屋に入れるほど近い人物なのかもしれない。

「……妙ですわ」

「何がでしょう?」

「犯人は、なぜこんな面倒なことを?」

「皇太子を犯人に見せたかったのでは?」

 アリアは目を閉じた。

「つまり」

 犯人が皇太子の部屋へ入り。

 特殊なインクを使い。

 リリアを旧図書塔へ誘導する紙を書いた。

「……もう一人、話を聞きたい人がいますわ」