「桃祢って本当にすごい人なんだね・・・」
「あんな有名人に紹介されるなんて・・・」
話し方は静かで落ち着いているものの、3人の顔は希望に満ちていた。
「次のライブか・・・いつがいいかな」
「とりあえず初ライブってことで写真撮ろ」
早見先生は最近若手アーティストの発掘もしていて、早見先生に紹介されたアーティストはもれなく売れると言われている。
そのことはみんな知っているらしく、わかりやすくワクワク顔だ。
「ライブハウスをバックにして写真撮りたいけど・・・」
「あ、あのっ・・・写真撮りましょうか⁉」
近くにスマホを置く場所もなければ自撮り棒も持っていない。
どうしようかと迷っていると、ライブは椅子から出てきた男性が声を掛けてくれた。
「いいんですか?・・・あ、さっき聴いてくれてた・・・!」
「は、はい!えっと・・・オリジナル曲、すごい好きになりました!}
だんせいはさっき私たちの演奏を聴いてくれていた人で、なんともありがたい申し出をしてくれる。
心優しい男性にスマホを渡すと、緊張した様子で一歩ずつ下がって構えてくれた。
「じゃ、じゃあいきます・・・3,2,1・・・はい。よ、横でも撮りますね・・・!3,2,1・・・はい。か、確認お願いします・・・!」
親切に縦と横で撮ってくれた男性にお礼を言い、写真を確認する。
そのあと男性は、
「応援してます!次のライブも来ます!」
と言って去って行った。いい人がいるものだなぁ。
「じゃ、初ライブの打ち上げ行こ!」
「あ、おすすめの喫茶店あるよ」
オリジナル曲を褒めて貰って上機嫌な葛と珀が歩き出し、それを慌てて緋雁が止める。
「待って、その大荷物で店は入る気?迷惑でしょ」
「そうだね、1回帰ってから集合しよっか」
いつも冷静な珀が珍しいなぁと思いつつ、緋雁に賛同した。
「んぁ?ごめんごめん、楽器置いてかないとな。おい珀」
「なに・・・帰ろ」
自分のミスを恥ずかしく思っているのか、珀は顔を背ける。
ふふ・・・なんだか可愛いな。3歳も年上なん鬼。
「・・・珀のこと可愛いって思ってる?」
「え?・・・緋雁、」
「やめて。───────」
急に顔を覗き込み、嫌そうになにか言う緋雁。
「緋雁?桃祢?どーしたー?」
驚いていると、なにも確認できないまま葛から声が掛かった。
「行くー」
何事もなかったかのように葛と珀のもとへ行く緋雁を、私も慌てて追いかける。
「いい思い出になったな!」
「うん・・・」
胸に引っ掛かる、緋雁の言葉と切ない表情。
「桃祢、行こう?」
いつも通り優しい声音で、いつも通り手を差し伸べてくれる緋雁に、何故かどきりとした。
『やめて。・・・他の男なんて、見ないで』
きっと幻聴だろう。緋雁が私に、そんなこと言う必要はない。
だから、お願いだからおさまって、私の心臓・・・!
「あんな有名人に紹介されるなんて・・・」
話し方は静かで落ち着いているものの、3人の顔は希望に満ちていた。
「次のライブか・・・いつがいいかな」
「とりあえず初ライブってことで写真撮ろ」
早見先生は最近若手アーティストの発掘もしていて、早見先生に紹介されたアーティストはもれなく売れると言われている。
そのことはみんな知っているらしく、わかりやすくワクワク顔だ。
「ライブハウスをバックにして写真撮りたいけど・・・」
「あ、あのっ・・・写真撮りましょうか⁉」
近くにスマホを置く場所もなければ自撮り棒も持っていない。
どうしようかと迷っていると、ライブは椅子から出てきた男性が声を掛けてくれた。
「いいんですか?・・・あ、さっき聴いてくれてた・・・!」
「は、はい!えっと・・・オリジナル曲、すごい好きになりました!}
だんせいはさっき私たちの演奏を聴いてくれていた人で、なんともありがたい申し出をしてくれる。
心優しい男性にスマホを渡すと、緊張した様子で一歩ずつ下がって構えてくれた。
「じゃ、じゃあいきます・・・3,2,1・・・はい。よ、横でも撮りますね・・・!3,2,1・・・はい。か、確認お願いします・・・!」
親切に縦と横で撮ってくれた男性にお礼を言い、写真を確認する。
そのあと男性は、
「応援してます!次のライブも来ます!」
と言って去って行った。いい人がいるものだなぁ。
「じゃ、初ライブの打ち上げ行こ!」
「あ、おすすめの喫茶店あるよ」
オリジナル曲を褒めて貰って上機嫌な葛と珀が歩き出し、それを慌てて緋雁が止める。
「待って、その大荷物で店は入る気?迷惑でしょ」
「そうだね、1回帰ってから集合しよっか」
いつも冷静な珀が珍しいなぁと思いつつ、緋雁に賛同した。
「んぁ?ごめんごめん、楽器置いてかないとな。おい珀」
「なに・・・帰ろ」
自分のミスを恥ずかしく思っているのか、珀は顔を背ける。
ふふ・・・なんだか可愛いな。3歳も年上なん鬼。
「・・・珀のこと可愛いって思ってる?」
「え?・・・緋雁、」
「やめて。───────」
急に顔を覗き込み、嫌そうになにか言う緋雁。
「緋雁?桃祢?どーしたー?」
驚いていると、なにも確認できないまま葛から声が掛かった。
「行くー」
何事もなかったかのように葛と珀のもとへ行く緋雁を、私も慌てて追いかける。
「いい思い出になったな!」
「うん・・・」
胸に引っ掛かる、緋雁の言葉と切ない表情。
「桃祢、行こう?」
いつも通り優しい声音で、いつも通り手を差し伸べてくれる緋雁に、何故かどきりとした。
『やめて。・・・他の男なんて、見ないで』
きっと幻聴だろう。緋雁が私に、そんなこと言う必要はない。
だから、お願いだからおさまって、私の心臓・・・!

