【偽】カップルですが、本当の恋を教えてください

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「ただいま、お母さん」
「桃祢・・・!」
3か月ぶりにお母さんと口をきいた。
冷静になって考えれば、あの(●●)言葉のいみなんてすぐにわかった。
でも・・・私はまだ、大人というには幼くて。
結局なにも言えないまま、高校の中退を決めてから話していない。
「お母さん・・・やりたいこと、見つかったの。バンドだよ」
「・・・っまぁ・・・!素敵じゃない!キーボード?」
「うん、ボーカルもやるんだ。作曲も挑戦してみる」
「いいわね・・・!」
最初に報告をすると、お母さんの顔に安堵の色がにじみ、輝くように笑ってくれた。
「またメンバーも紹介して頂戴ね」
「うん。・・・お母さん、高校中退してごめんね」
「・・・いいの。桃祢にピアノを押し付けたのも、奪ったのも私なんだから」
「・・・ピアノは大好きだし、また私の隣に居るよ」
高校を中退してしまったこと、期待に応え続けられなかったことも暗に伝えると、お母さんは切なそうに首を横に振る。
ううん・・・お母さんは、私とピアノを出逢わせてくれた。
そんなピアノは、私とEcholyを出逢わせてくれた。
「よし、じゃあこれからキーボード見に行っちゃう?」
「え、いいの?」
「もちろんよ」
お母さんの素敵な誘いにのった私は、久しぶり───きっと4年ぶりくらい───にお母さんとお出かけに行った。

お父さんも加入をすごく喜んでくれて、なんと作曲用にとパソコンを買ってくれた。
ま、まだ作曲するとは決まってないのにな・・・あはは。

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「あ・・・ここでコード?」
「お、いいんじゃない?珀亜、どうよ」
「うん、悪くない。面白いな」
さすがにパソコンを買ってもらったと言ったら驚かれたけど、私は3人の意見を聞きながら作曲を進めていた。
このパソコンでSNSも管理していて、1日最低でも1本『○○弾いてみた』『○○歌ってみた』などを投稿している。
わかりやすい伸びとかはないけど・・・見てくれている人も一定数要るし、そのなかに音楽会社の人とかもいるといいな。
「ライブハウス取ったぞ~13日な」
「さんきゅ葛。練習するか」
毎日のようにスタジオを借り、作曲を学んでは曲を練習する。
ライブハウスも挑戦することになっていて、既存曲4曲とオリジナル曲1曲を披露する予定だ。
あと1週間・・・お正月も集まって練習したんだし、頑張らないと・・・!
「オリジナル曲、間に合いそうだね。歌はどう?桃祢」
「うん、結構いけてるかも・・・!」
作詞は緋雁が担当するらしく、曲と一緒に少しずつ言葉を当ててくれている。
まだみんなで演奏はしてないから・・・どんな感じになるのか、楽しみだなぁ。
「楽しみにしてる。じゃあ順番に通してみよう」
「「「はーい」」」
リーダー珀の指示でシンと静かになり、1曲目のギターが始まる。
何回合わせても忘れないこの感じ。
この興奮と高揚感、心の底から湧く喜びと期待。
すべて忘れないようにしよう。ずっと大事にしていこう。
この感覚を芯に、音を鳴らすことを純粋に楽しんでいこう。

「『あの日のこと ずっと覚えてる 僕たちは 運命の出逢い』」