青い屋根の家の前で、雪が立ち止まった。
「ただいまー」
玄関の扉を開ける。
「おかえり、雪」
奥から聞こえてきたのは、優しい女性の声だった。
そして、雪の後ろにいる遥斗を見つけると、お母さんは目を丸くした。
「……あら?」
雪が振り返る。
「お母さん」
「遥くん?」
「お久しぶりです」
遥斗が緊張しながら頭を下げる。
お母さんは嬉しそうに笑った。
「遥くん、来たんだね」
「はい。雪に会いに来ました」
「よかった……無事で」
お母さんは遥斗の顔を見つめる。
「ずっと心配しちょったんよ。飛行機に乗って、電車にも乗って……遠かったやろ?」
「はい。でも、大丈夫です」
「そう。よかった」
お母さんはほっとしたように笑った。
「さあ、上がりなさい」
「お邪魔します」
遥斗が靴を脱ぐ。
家の中に入ると、どこか懐かしい匂いがした。
そして――。
「遥くん、お腹空いたでしょ?」
「え?」
「唐揚げと鶏めしと、だんご汁作ったから!」
遥斗は思わず目を見開いた。
「そんな……ありがとうございます」
「遠くから来たんやけん、いっぱい食べなね!」
雪が笑う。
「お母さん、張り切りすぎ」
「だって、遥くんが来るんやもん」
食卓には、出来たての唐揚げ。
湯気の立つ鶏めし。
そして、大分の家庭の味、だんご汁。
「懐かしい……」
遥斗が呟く。
「別府におるとき、よく食べたな」
雪も嬉しそうに笑った。
「いっぱい食べてね」
「はい。いただきます」
一口、唐揚げを食べる。
「……美味しい」
「よかった」
お母さんが嬉しそうに笑う。
「遥くん、雪のこと大事にしてくれたんやね」
その言葉に、遥斗は箸を置いた。
「はい」
そして、雪を見る。
「五年前の約束を、ずっと覚えていました」
雪の目が少し潤む。
「私も……覚えてたよ」
食卓に、温かな空気が広がった。
五年という時間を越えて、ようやく三人で囲む食卓。
遥斗は思った。
――約束を果たしに来て、本当によかった。
大分の家庭料理の湯気の向こうで、雪が笑っている。
その笑顔を、今度こそ近くで守りたい。
そんな気持ちが、遥斗の胸に静かに芽生えていた。
「ただいまー」
玄関の扉を開ける。
「おかえり、雪」
奥から聞こえてきたのは、優しい女性の声だった。
そして、雪の後ろにいる遥斗を見つけると、お母さんは目を丸くした。
「……あら?」
雪が振り返る。
「お母さん」
「遥くん?」
「お久しぶりです」
遥斗が緊張しながら頭を下げる。
お母さんは嬉しそうに笑った。
「遥くん、来たんだね」
「はい。雪に会いに来ました」
「よかった……無事で」
お母さんは遥斗の顔を見つめる。
「ずっと心配しちょったんよ。飛行機に乗って、電車にも乗って……遠かったやろ?」
「はい。でも、大丈夫です」
「そう。よかった」
お母さんはほっとしたように笑った。
「さあ、上がりなさい」
「お邪魔します」
遥斗が靴を脱ぐ。
家の中に入ると、どこか懐かしい匂いがした。
そして――。
「遥くん、お腹空いたでしょ?」
「え?」
「唐揚げと鶏めしと、だんご汁作ったから!」
遥斗は思わず目を見開いた。
「そんな……ありがとうございます」
「遠くから来たんやけん、いっぱい食べなね!」
雪が笑う。
「お母さん、張り切りすぎ」
「だって、遥くんが来るんやもん」
食卓には、出来たての唐揚げ。
湯気の立つ鶏めし。
そして、大分の家庭の味、だんご汁。
「懐かしい……」
遥斗が呟く。
「別府におるとき、よく食べたな」
雪も嬉しそうに笑った。
「いっぱい食べてね」
「はい。いただきます」
一口、唐揚げを食べる。
「……美味しい」
「よかった」
お母さんが嬉しそうに笑う。
「遥くん、雪のこと大事にしてくれたんやね」
その言葉に、遥斗は箸を置いた。
「はい」
そして、雪を見る。
「五年前の約束を、ずっと覚えていました」
雪の目が少し潤む。
「私も……覚えてたよ」
食卓に、温かな空気が広がった。
五年という時間を越えて、ようやく三人で囲む食卓。
遥斗は思った。
――約束を果たしに来て、本当によかった。
大分の家庭料理の湯気の向こうで、雪が笑っている。
その笑顔を、今度こそ近くで守りたい。
そんな気持ちが、遥斗の胸に静かに芽生えていた。

