蒼生が青空こども園に通い始めて、しばらく経った。
毎朝、元気に登園し、先生やお友達と楽しく過ごしている。
ある日、雪が連絡帳を開くと、先生からこんな言葉が書かれていた。
「今日はお友達と一緒に遊びました。先生のお話もしっかり聞けて、お勉強にも楽しく取り組んでいました」
「蒼生、頑張ってるね」
雪は嬉しそうに笑った。
その一方で――。
会社の遥斗はというと。
「社長、こちらの確認をお願いします」
「……あとで」
佐々木が離れた隙に、遥斗はスマートフォンを取り出す。
画面に映っているのは、雪と蒼生の写真。
「雪……蒼生……」
気づけば時間が過ぎている。
「社長?」
「……!」
佐々木に声をかけられ、慌ててスマートフォンを隠す。
「仕事してください」
「はい……」
蒼生は保育園でしっかり頑張っている。
なのに遥斗は――二歳の蒼生にはできる「先生のお話を聞くこと」すら、時々できていなかった。
そして、ついに雪が会社で働き始める日が来た。
雪は遥斗には何も言わず、会社へ向かった。
「おはようございます」
「あっ、雪さん!」
佐々木が嬉しそうに迎える。
「今日からよろしくお願いします」
「こちらこそ!」
雪はまず、遥斗には知らせずに様子を見ることにした。
そして、そっと社長室を覗く。
「……」
遥斗は机に向かって――いなかった。
椅子に座り、またスマートフォンを見ている。
「……またサボってる」
雪は呆れながら社長室へ入った。
「遥斗」
「……ん?」
遥斗が顔を上げる。
そして雪を見た瞬間、目を丸くした。
「雪!? なんでここに?」
「またサボってたね」
「……」
遥斗は固まった。
「今日から事務員として働きますよ」
「えっ……」
佐々木が後ろから笑いをこらえている。
「社長、これでサボれませんね」
「佐々木さん……」
雪は机の上の書類を整理する。
「蒼生は保育園で、お勉強もして、お友達ともちゃんと遊んでるんだよ」
「うん……」
「それなのに遥斗は?」
「……仕事します」
「よろしい」
雪はにっこり笑った。
こうして――。
社長・遥斗の会社に、新しい事務員が加わった。
その名は、妻の雪。
これから遥斗の仕事ぶりが、少しずつ変わっていくことになる。
毎朝、元気に登園し、先生やお友達と楽しく過ごしている。
ある日、雪が連絡帳を開くと、先生からこんな言葉が書かれていた。
「今日はお友達と一緒に遊びました。先生のお話もしっかり聞けて、お勉強にも楽しく取り組んでいました」
「蒼生、頑張ってるね」
雪は嬉しそうに笑った。
その一方で――。
会社の遥斗はというと。
「社長、こちらの確認をお願いします」
「……あとで」
佐々木が離れた隙に、遥斗はスマートフォンを取り出す。
画面に映っているのは、雪と蒼生の写真。
「雪……蒼生……」
気づけば時間が過ぎている。
「社長?」
「……!」
佐々木に声をかけられ、慌ててスマートフォンを隠す。
「仕事してください」
「はい……」
蒼生は保育園でしっかり頑張っている。
なのに遥斗は――二歳の蒼生にはできる「先生のお話を聞くこと」すら、時々できていなかった。
そして、ついに雪が会社で働き始める日が来た。
雪は遥斗には何も言わず、会社へ向かった。
「おはようございます」
「あっ、雪さん!」
佐々木が嬉しそうに迎える。
「今日からよろしくお願いします」
「こちらこそ!」
雪はまず、遥斗には知らせずに様子を見ることにした。
そして、そっと社長室を覗く。
「……」
遥斗は机に向かって――いなかった。
椅子に座り、またスマートフォンを見ている。
「……またサボってる」
雪は呆れながら社長室へ入った。
「遥斗」
「……ん?」
遥斗が顔を上げる。
そして雪を見た瞬間、目を丸くした。
「雪!? なんでここに?」
「またサボってたね」
「……」
遥斗は固まった。
「今日から事務員として働きますよ」
「えっ……」
佐々木が後ろから笑いをこらえている。
「社長、これでサボれませんね」
「佐々木さん……」
雪は机の上の書類を整理する。
「蒼生は保育園で、お勉強もして、お友達ともちゃんと遊んでるんだよ」
「うん……」
「それなのに遥斗は?」
「……仕事します」
「よろしい」
雪はにっこり笑った。
こうして――。
社長・遥斗の会社に、新しい事務員が加わった。
その名は、妻の雪。
これから遥斗の仕事ぶりが、少しずつ変わっていくことになる。

