ある日の午後。
雪のスマートフォンに、会社の佐々木から電話がかかってきた。
「もしもし、佐々木さん?」
『雪さん、突然すみません。ちょっと相談がありまして』
「どうしたんですか?」
『実は……社長なんですけど』
「遥斗が?」
『はい。時々、仕事をサボることがありまして……』
「やっぱり?」
雪がため息をつく。
『それで、僕から提案なんですが……雪さん、会社で事務として働いてくれませんか?』
「私が?」
『はい。雪さんがそばにいたら、社長の怠け癖も治るんじゃないかと思いまして』
雪は思わず笑った。
『それに、社長が仕事をサボってる時、何してると思います?』
「何してるの?」
『スマホで雪さんの写真とか、蒼生くんの写真を見てるんです』
「……え?」
『それで一時間くらい経ってることがあります』
「一時間!?」
雪は思わず声を上げた。
『はい……。本人は「ちょっと休憩」って言うんですけど』
「それ、休憩の時間じゃないよね……」
『なので、雪さんが事務として働いてくれたら、社長もちゃんと仕事するんじゃないかなと』
「分かりました」
『本当ですか?』
「保育園が見つかって、蒼生を預けられるようになってからになりますけど、それでよければ」
『もちろんです!』
こうして雪は、会社で事務として働くことを決めた。
そして――。
雪は蒼生を預けられる保育園を探し始めた。
いくつか候補を見ていく中で、見つけたのが青空こども園だった。
「ここなら、蒼生も楽しく過ごせそう」
園の雰囲気を見て、雪は安心した。
必要な手続きを済ませ、入園が決まった。
「蒼生、保育園行くんだよ」
「ほいくえん?」
「うん。お友達といっぱい遊べるよ」
「おともだち!」
蒼生は嬉しそうに笑った。
入園に必要なものも準備し、いよいよ通園の日を迎える。
これから雪は、母として蒼生を育てながら――。
そして遥斗の妻として、会社の事務として。
新しい毎日を始めることになった。
もちろん遥斗には、まだ知らされていない。
――自分の「怠け癖」を治すために、妻が会社へやって来ることを。
雪のスマートフォンに、会社の佐々木から電話がかかってきた。
「もしもし、佐々木さん?」
『雪さん、突然すみません。ちょっと相談がありまして』
「どうしたんですか?」
『実は……社長なんですけど』
「遥斗が?」
『はい。時々、仕事をサボることがありまして……』
「やっぱり?」
雪がため息をつく。
『それで、僕から提案なんですが……雪さん、会社で事務として働いてくれませんか?』
「私が?」
『はい。雪さんがそばにいたら、社長の怠け癖も治るんじゃないかと思いまして』
雪は思わず笑った。
『それに、社長が仕事をサボってる時、何してると思います?』
「何してるの?」
『スマホで雪さんの写真とか、蒼生くんの写真を見てるんです』
「……え?」
『それで一時間くらい経ってることがあります』
「一時間!?」
雪は思わず声を上げた。
『はい……。本人は「ちょっと休憩」って言うんですけど』
「それ、休憩の時間じゃないよね……」
『なので、雪さんが事務として働いてくれたら、社長もちゃんと仕事するんじゃないかなと』
「分かりました」
『本当ですか?』
「保育園が見つかって、蒼生を預けられるようになってからになりますけど、それでよければ」
『もちろんです!』
こうして雪は、会社で事務として働くことを決めた。
そして――。
雪は蒼生を預けられる保育園を探し始めた。
いくつか候補を見ていく中で、見つけたのが青空こども園だった。
「ここなら、蒼生も楽しく過ごせそう」
園の雰囲気を見て、雪は安心した。
必要な手続きを済ませ、入園が決まった。
「蒼生、保育園行くんだよ」
「ほいくえん?」
「うん。お友達といっぱい遊べるよ」
「おともだち!」
蒼生は嬉しそうに笑った。
入園に必要なものも準備し、いよいよ通園の日を迎える。
これから雪は、母として蒼生を育てながら――。
そして遥斗の妻として、会社の事務として。
新しい毎日を始めることになった。
もちろん遥斗には、まだ知らされていない。
――自分の「怠け癖」を治すために、妻が会社へやって来ることを。

