蒼生が二歳になった頃。
すっかりおしゃべりが上手になり、家では毎日、可愛らしい声が響いていた。
「パパ、いってらっしゃい!」
「蒼生、行ってくるな」
「ママも!」
「はいはい。いってらっしゃい」
そんなある日、雪は蒼生を連れて遥斗の会社へ遊びに行くことになった。
「蒼生、パパのお仕事見に行こうか」
「うん! パパのおみせ!」
「会社だよ」
「かいしゃ!」
会社に着くと、社員たちが蒼生を歓迎してくれた。
「蒼生くん、大きくなったね!」
「こんにちは!」
「ちゃんと挨拶できるの、偉いね」
蒼生は嬉しそうに笑った。
しばらくすると、蒼生は社内を探検し始めた。
「あれ? パパは?」
「社長室かな?」
蒼生は小さな足で、そっと歩いていく。
そして、遥斗が仕事をしている部屋を覗いた。
ところが――。
遥斗は机の前にいなかった。
「パパ、いない」
蒼生は部屋の隅に隠れて待ってみることにした。
すると、しばらくして遥斗が戻ってきた。
手には飲み物。
「ふぅ……ちょっと休憩」
椅子に座って、スマートフォンを眺めている。
それを見ていた蒼生は、目を丸くした。
「……パパ、おしごとしてない」
そこへ佐々木が入ってきた。
「あれ? 蒼生くん、そこにいたの?」
「しーっ」
蒼生は口に指を当てる。
「パパ、ないしょ?」
「内緒なの?」
「うん」
蒼生は少し考えてから、佐々木を見上げた。
「佐々木しゃん」
「はい?」
「これ、ママに言っていいの?」
佐々木は思わず笑ってしまった。
「いいですよ」
「ほんと?」
「本当です」
蒼生は嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、ママに言う!」
「社長、これは大変ですよ」
佐々木が笑いながら遥斗を見る。
「……蒼生、聞いてたのか?」
「うん!」
「雪には言わないでくれよ」
「ママに言う!」
「蒼生!」
会社中に、蒼生の笑い声が響いた。
二歳になった小さな息子に、早くも仕事ぶりを監視される遥斗。
社員たちは笑いながら、その微笑ましい光景を見守っていた。
すっかりおしゃべりが上手になり、家では毎日、可愛らしい声が響いていた。
「パパ、いってらっしゃい!」
「蒼生、行ってくるな」
「ママも!」
「はいはい。いってらっしゃい」
そんなある日、雪は蒼生を連れて遥斗の会社へ遊びに行くことになった。
「蒼生、パパのお仕事見に行こうか」
「うん! パパのおみせ!」
「会社だよ」
「かいしゃ!」
会社に着くと、社員たちが蒼生を歓迎してくれた。
「蒼生くん、大きくなったね!」
「こんにちは!」
「ちゃんと挨拶できるの、偉いね」
蒼生は嬉しそうに笑った。
しばらくすると、蒼生は社内を探検し始めた。
「あれ? パパは?」
「社長室かな?」
蒼生は小さな足で、そっと歩いていく。
そして、遥斗が仕事をしている部屋を覗いた。
ところが――。
遥斗は机の前にいなかった。
「パパ、いない」
蒼生は部屋の隅に隠れて待ってみることにした。
すると、しばらくして遥斗が戻ってきた。
手には飲み物。
「ふぅ……ちょっと休憩」
椅子に座って、スマートフォンを眺めている。
それを見ていた蒼生は、目を丸くした。
「……パパ、おしごとしてない」
そこへ佐々木が入ってきた。
「あれ? 蒼生くん、そこにいたの?」
「しーっ」
蒼生は口に指を当てる。
「パパ、ないしょ?」
「内緒なの?」
「うん」
蒼生は少し考えてから、佐々木を見上げた。
「佐々木しゃん」
「はい?」
「これ、ママに言っていいの?」
佐々木は思わず笑ってしまった。
「いいですよ」
「ほんと?」
「本当です」
蒼生は嬉しそうに頷いた。
「じゃあ、ママに言う!」
「社長、これは大変ですよ」
佐々木が笑いながら遥斗を見る。
「……蒼生、聞いてたのか?」
「うん!」
「雪には言わないでくれよ」
「ママに言う!」
「蒼生!」
会社中に、蒼生の笑い声が響いた。
二歳になった小さな息子に、早くも仕事ぶりを監視される遥斗。
社員たちは笑いながら、その微笑ましい光景を見守っていた。

