月影に咲く、一輪の華

廊下に響いた大きな声に、周りにいた生徒たちまで一斉にこっちを振り返った。

星羅「うん!私の弟!」

來夢「え、待って待って!星夜に姉ちゃんいたの!?」

星羅「いるけど」

來夢「しかもこんな美人!?」

星羅「ありがとう!」

來夢「そこ普通に受け取るんだ!?」

なんだか面白い反応をする子だなぁ。

星夜の友達って、みんなこんな感じなのかな?

星羅「ちなみに私たち双子なんだよ!」

來夢「…………双子?」

星羅「そう!私がお姉ちゃんで、星夜が弟!」

來夢「いや、待って……」

來夢は私と星夜を何度も見比べている。

そして、何かに気づいたように目を見開いた。

來夢「……言われてみれば、めっちゃ似てる」

星羅「でしょ?」

星夜「姉ちゃんが俺に似てるんだよ」

星羅「えー?私のほうが可愛いもん」

星夜「はいはい」

星羅「なにその反応!」

星夜「事実だろ」

星羅「え?」

思わず星夜の顔を見る。

今、私のこと可愛いって言った?

星羅「星夜、今私のこと可愛いって言った?」

星夜「言ってねぇ」

星羅「言ったじゃん!」

星夜「言ってない」

來夢「……お前ら仲良すぎだろ」

叶多「朝から星夜の事ばかり話してた」

來夢「朝から?」

叶多「星羅が星夜のこと大好きすぎてな」

星羅「だって可愛い弟だもん!」

星夜「……俺はもう帰っていいか?」

星羅「ダメ!」

星夜「なんでだよ」

星羅「一緒にお昼食べるんでしょ?」

星夜「……分かったよ」

やった!

せっかく同じクラスじゃなかったんだから、お昼くらいは一緒に食べたい。

星羅「ねぇ、來夢も一緒に食べようよ!」

來夢「俺も?」

星羅「うん!星夜の友達なんでしょ?」

來夢「……いいの?」

星羅「もちろん!」

來夢は一瞬驚いた顔をしたあと、嬉しそうに笑った。

來夢「じゃあ、お言葉に甘えて!」

星羅「よし!じゃあ早く購買行こ!」

叶多「結局そこに戻るのな」

星羅「だってお腹すいてるんだもん!」

星夜「姉ちゃん、朝からそればっかだな」

星羅「育ち盛りだから!」

叶多「高校二年生な」

星羅「もう!二人とも細かい!」

三人に笑われながら、私は購買へ向かって歩き出した。

今日はまだ始まったばかり。

なのに、なんだかすごく楽しい一日になりそうな気がした。