月影に咲く、一輪の華


その瞬間。

――バンッ!!

屋上の扉が勢いよく開いた。

全員が振り返る。

そこに立っていたのは、さっきとは違う男だった。

息を切らしている。

來夢「……どうした?」

男「……朱雀が」

黒羽「……」

男「さっきの件だけじゃねぇ」

男が息を整えながら言う。

男「朱雀の奴ら……桜凛の生徒を何人か連れていった」

豹牙「……は?」

朔夜「どこへ?」

男「旧校舎」

空気が凍った。

星羅「……旧校舎?」

黒羽「……そうか」

黒羽の顔から笑みが消える。

來夢「黒羽……」

黒羽「ああ」

黒羽は立ち上がった。

黒羽「――行くぞ」

星夜「……俺も行く」

星羅「待って」

星夜「姉ちゃんは来るな」

星羅「……」

さっきと同じ言葉。

でも今度は、私は素直に頷けなかった。

だって――。

星夜が危ない場所へ行こうとしている。

それなのに、自分だけここで待っていられるわけがない。